パンデミックの中でこれだけ流行る作品【鬼滅の刃】。
最初の頃は人気に厳しいジャンプで、いつ連載打ち切りになるか、という状況だった作品。
私は最初全く興味なかったし、
はまりかけてた妹に誘われてしぶしぶ映画へ。
映画は漫画の7と8巻のみを映画化している。
漫画の基礎知識が不十分だったのもあって、良さがあまりわからなかった。
ただの鬼退治かなと。
少年ジャンプらしく悪者を倒すヒーローものかと。
「ふーーん。これが流行ってるのかあ。何がそんなにみんなの心をとらえるのだろう。」と思った。
妹がすっかりハマり、いろいろ教えてもらってる内に、少しずつ少しずつ鬼滅の世界の深みにハマっていった・・・(笑)
映画をこれまで3回観た。
漫画を全巻(23巻)のうち、柱総力戦、佳境の16巻まで読んでから観た3回目が一番感動した。台詞が胸に入ってきた。結構泣いたー(>_<)
(隣の小さな女の子もボロ泣きで、お母さんに抱きついてエンエン泣いていた👀‼️)
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わかったことがある。
鬼滅よりもこの現実世界のほうが残虐で。
鬼はその辺にうようよいる。
コロナは一日で何千人もの人を殺している。
池田小事件、オウム、世田谷一家や光市事件、秋葉原暴走、やまゆり園、座間のアパート大量殺戮、京アニ放火などなど。
鬼より怖いえぐい。
普通に暮らしてた人が鬼に殺される。
下に記したこの事件記者の言うことは正当だと思う。
子供たちは鬼滅を見なくても鬼滅よりもっと残酷な現実を既に見ている。
この世は儚い。そしてとてつもなく無情だ。
だからこそ、一度きりの人生の中で愛や絆を大切に出来たなら、それは人生の本当の幸せなんだと。
宮沢賢治が目指した【ほんとうのしあわせ】とは、愛や絆ではないかと、私は鬼滅を見て思った。
■事件記者が語る
この世は鬼滅よりも残酷。
https://news.yahoo.co.jp/articles/f70d363de8fadd11addc3ae4e37e66257153d107?page=1
朝笑顔で話した家族が地震や津波で突然この世からいなくなる。
事故や、自ら命を断った者も。
人生でとても大切な人をある日突然、理不尽な形で失った人は、この映画はたまらないと思う。
お客様で神戸の灘区の方が阪神大震災で妹さんと従兄弟を失った。
妹と仲が良い私をいつも羨ましいと。
その方が先月来られて「鬼滅の刃で救われました」と話した。
「私は妹を守れず生き残って。こんなに年とってしまって。
鬼滅を見て、あんな残酷な過去を持つ人たちの口から出る言葉が一つ一つ私の心に沁みて。漫画とわかっていても沁みて。
仕方ない、生き残ってんから死ぬまで頑張って生きていかなあかんなと思いました。」と。
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失ったものが大きい人ほど鬼滅にハマるのかも。
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朝元気だった母が妹が会社から帰ったら冷たくなっていた。
遺体と対面した時のトラウマが2年近くたっても消えなかった妹。
やっと解放されたよといつも話す。
(実家のタンス(笑))
そして映画の中で炭治郎が家族と幸せに暮らしていた夢を見ながら
「ああ戻りたいなあ。あの頃に戻ってみんなで幸せに暮らしていたいなあ。」と泣くシーンでいつも横で妹がしくしく泣いてるんです。
そして炭治郎はそんな過去への執着を断ち切るために自分を殺すのです。
《このシーンは本当に凄い》
「たくさんありがとうと言うよ」
「たくさんごめんと言うよ」
炭治郎の言葉は、失ってしまった大切な人に誰もが伝えたい言葉。
(父と母に言いたい)
■竈門炭治郎のうた
失っても 失っても 生きていくしかない
https://youtu.be/CFx9obXA-Zc
私も救われました。
過去の情けない自分も過去の思い出ももうどうでもいい。
今と前しか見ない。
この頃過去がものすごく遠く小さくなりました。不思議です。
やっぱ鬼滅かなぁ(笑)(笑)
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呼吸が心にも体にも影響を与えるのはヨガにも通ずる。
まだ全巻は読んでませんが
私が漫画の中で心に突き刺さった言葉をノートにメモしています。
■『幸せの道はずっとずっと遠くまで続いているって 思い込んでいた。
破壊されて初めてその幸福が 薄い硝子の上に乗っていたものだと気づく。
(胡蝶しのぶ)
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■『老いることも死ぬことも人間という儚い生き物の美しさだ。
老いるからこそ 死ぬからこそ 堪らなく愛おしく尊いのだ。
強さというものは肉体に対してのみ使う言葉ではない 。
(煉獄杏寿郎)
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■君が足を止めて蹲(うずくま)っても、時間の流れは止まってくれない。
共に寄り添って悲しんではくれない。
(煉獄杏寿郎)
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■『永遠というのは人の想いだ。
人の想いこそが永遠であり不滅なんだよ』
(声だけで癒されるお館様)
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■『刀はな 叩いて叩いて叩き上げて不純物や余分なものを飛ばし、 鋼の純度を高め、強靭な刀を作るんだ』
(刀鍛冶師・鋼鐵塚蛍)
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私は、こんな作品を産み出し、こんな言葉を紡ぐ作者の吾峠呼世春さんに一番惹かれてます。
30代の若い女性が、どうしてこんなものが描けるのだろう。
こんな言葉が出てくるのだろう。
彼女も何か大きなものを失ったのだろうか。
漫画全巻の表紙カバー裏には【感謝】ばかり。
漫画の中にも全巻、手書きの手紙があって、それも【感謝】ばかり。
この人はいつもいつも感謝している。
今日ワンカラで炎を何度も歌ったけど、作詞作曲がNHK「歴史秘話ヒストリア」のあの拡がりのあるテーマ曲を作った梶原由紀さんだとわかって納得しました。😀
鬼滅の刃。
小さな子供も泣く。ハマる。
ひと言では表せない、とても不思議な作品。
理解出来ていないことがまだたくさんあるようなそんな気がします。