【ラグビー15人の役割】
*かなり長いです m(__)m
背番号がわかりやすいラグビー🏈
野球と同じく、ポジションで全く違う役割があります
最初にこれを知ってからW杯を観たら、もっと面白かったなあ!と思います😀
この1ヶ月、合間に少しずつまとめました
とても楽しい時間でした😀
学んだのはこの本です
(720円)
図書館でも何冊か読みましたが
これはラグビー愛に溢れた、とても解りやすい本でした。
内容は他にも
【歴史】【反則】【戦略・戦術】
【勝敗を決するセットプレー】
【観戦中に???となる疑問に答えます】など
「にわかファン」にぴったりの本📕
これからラグビー見て行きたい人には良い本だと思います。
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まずは
■【ラグビー憲章】5つの言葉
品位
情熱
結束
規律
尊重
「男子たるもの紳士であれ」
***************
■■■■フォワード■■■■
(前 8人)①~⑧
■プロップ PR
右端の③
左の①(稲垣、中島イシレリ)は自分の右側にしか頭がないが、
右端の③(具)は、敵2人の頭に挟まれ最も過酷なため、最も重く、首が太い選手が選ばれる
①は、相手③の懐に潜り込み、めくり上げる(頭をスクリューのようにねじ込んだり、相手3の右手を殺したりするテクニックが必要)
③が耐えるPRなら、①は攻めるPR
スクラムからボールが出たら、モールの中心になったり、ラックで相手を剥がしたり、タックルをしたりする
体格は、①が「あんこ型」なら、③は「筋肉質」
世界重量級のFWと最前線で組み合うだけに消耗度は激しい
ひと昔前の日本のスクラムは世界で全く通用しなかったが、少しずつ世界のスクラムに追い付いてきた
PRのもう一つの大きな仕事は、ラインアウトの際にキャッチする選手を持ち上げること
スクラムでは最前線で耐え、ラインアウトではジャンパーを持ち上げる
PRが「縁の下の力持ち」と言われる所以です
寡黙な選手が多いPR
寡黙だがやるときはやるPR
彼らには独特のラグビー観、世界観があり、
チームが違ってもPR同士相通じるものがありとても仲が良い
それは試合でいつもスクラム最前線で頭を突き合わせているからかもしれない
★★★★★★★★★
フッカー HO
背番号 ②(堀江)
ラグビーには「司令塔」と呼ばれるポジションが幾つかある
メジャーなのが、スタンドオフ(SO)
これはバックスの司令塔
次が、No.8
こちらはスクラムの最後尾の司令塔
そして、このフッカー
フォワード第一列真ん中にいて
スクラムハーフ(SH)がスクラムの中に入れたボールを足で後ろに掻き出すのが主な仕事
(その時足をフックのように曲げるからフッカー)
なぜフッカーが司令塔なのか?
自分の両側にいるPRをきちんとコントロールしないとボールを上手く掻き出せないから
スクラムを押すタイミングもこのフッカーが調整している
敵のスクラムが強い場合は早くボールを掻き出さないといけない
それはフッカーの調整力にかかってくる
さらに器用さから、ラインアウトでボールをコートに投げ入れることが多い
堀江は中学まで野球をしていたから、堀江が投げ入れる球は針の穴を入れるようだと言われている
フッカーはスクラムからボールを掻き出し、ラインアウトでボールを投げ入れる
まさに「セットプレーの起点」
さらに最後にスクラムから離れるので、全体を見渡しながらプレーに参加できる
トライを決めるクイックパスもする
視野の広さとボールさばきのテクニックを持ち、ゲームの起点とゲームを作るという意味で「司令塔」という名前はフッカーが最もふさわしいかもしれない
★★★★★★★★★★
ロック(LO)
背番号 ④と⑤
(W杯ではトンプソンやムーア)
スクラムの第2列
ロック = 錠
チーム一のフィジカルを誇るスクラムのエンジン役
スクラム最前線の腰の間に頭を入れ、PRの股間に片腕を入れPRのジャージをしっかり掴む
もう片腕は隣のロックの胴に巻き付けるようにしてバインド、ジャージを掴む
まさにスクラムの前5人をロックする役割
ロックしたあとは両肩で最前3人のお尻を押す
④より⑤がガッチリ
(①より重圧を浮ける③の後ろにつくから)
④はスクラムのあと素早く飛び出してタックルに行ったり、走るフォワードを助けたりするので5よりも細身で素早いプレーが出来る選手が多い
ロック2人は背が高い
スクラムは横に広いより縦に長いほうが有利だから(モールにも言える)
スクラムは前5人で決まると言われている
一列目が前(敵の頭)と後ろに挟まれて重圧に耐える役目、
2列目はひたすら押す!
(スクラムのエンジン)
その長身を生かしてラインアウトやキックのボールをキャッチする役目を担う
ロックはとにかく忙しいのでタフでないと勤まらない
ラグビーを志す少年が最も憧れるのがこのロック
理由は「最も強いから」
★★★★★★★★★★
■フランカー(FL)
背番号 ⑥と⑦
(リーチや徳永やヘンドリック)
スクラム3列目の左右を固めている
スクラムの左⑥はタックルが得意
右の⑦はアタック(走ってトライ)が得意
※タックルの効果
一発のタックルで相手がボールを前に落としてマイボールスクラムになったり
相手が落としたボールを拾って(ターンオーバー)一気に攻めへと転じることも出来る
2015W杯の南ア戦では一試合のタックル数上位4人が日本だった
(トップはリーチマイケルの17、トンプソンルークの13など)
フランカーとは軍事用語で「側面部隊」
スクラムが空母だとすれば、フランカーはそこからあっという間に飛び立つ戦闘機
強さ + 早さと速さ
フランカーはその仕事量も半端なく、アタックの補助、ピンチになるやいなや誰よりも早く駆けつけてタックルを見舞い、ついでにボールを奪う、ジャッカルも行う
先を読む能力に秀でていて次から次へと仕事を見つける
フィジカルの強さだけでなく、フィットネスの強さも必要になってくる
まさにピンチでもチャンスでもボールのあるところに常にいる
「疾風(ハヤテ)のように現れて 疾風のように去ってゆく」
月光仮面のような存在
★★★★★★★★★★
■No.8
背番号 ⑧
(W杯では姫野)
スクラムの最後尾
フォワード全体を統率している
背番号が呼び名になっているのは、上から数えても下から数えても8番目だからという説
つまり山本山の本(笑)
ポジション的にも15人の真ん中
フォワードFBとバックスBKの間にいて両方の仕事をこなす
フィールド全体を見渡せるNo.8
全てのポジションを即座に穴埋めすることも求められる
スクラムの最後尾にいるためボールを持つ機会が多い
ラインアウトではジャンパーもこなし、文字通り「攻守の要」になることが多い
頼りになる、ならなければならないポジション
チームの中枢としてキャプテンが多いのもうなずける
2015年の南アフリカ戦ではマフィという強いNo.8がラインにいたことが歴史的勝利につながった
今回のW杯では大事なキーのところで姫野が立ったままボールを奪う「ジャッカル」を5回も決め、記録を作り、ベスト8へ導いた
■■■■バックス■■■■
(後ろ 7人)⑨~⑮
■スクラムハーフ SH
背番号 ⑨
(W杯では田中や流)
身体が小さいのには理由がある
スクラムの側で待ち構え、スクラムから出たボールを素早くBKバックスにパスをしてゲームを進めなくてはならない
密集からの球出しは早ければ早いほど良い
(相手のディフェンスラインが整ってしまう)
地面にあるボールを拾って素早くパスするには背の高い選手ではコンマ何秒か、余計な時間がかかってしまう
味方のウイングがタックルを振り切れるかどうかは、球出しにかかったコンマ何秒の違いが最後に影響するのだ
後半、相手がバテはじめた時にSHが素早く球出しをして早い流れで展開していけば波状攻撃が仕掛けられる
スクラムの背中をSHがバンバン叩くのは「もっと押せ」の合図
押す向きがずれている場合もSHが正す
SHの瞬時の判断が群れを操る
まさに象の群れを操る「象使い」
そして大男にもタックルしていく気の強さも必要だ
★★★★★★★★★★
■スタンドオフ SO
背番号⑩
(W杯では田村
過去には新日鉄釜石を7連覇に導いた松尾雄治や、神戸製鋼や日本代表監督も勤めた平尾誠二など)
ラグビーの「司令塔」はいくつかのポジションがあるが、いよいよ真打ち登場、SO
SHから最初に渡るのがたいていSO
SHから渡されたボールを、パスするのか? キックするのか? はたまた自分で走るのか?
コート内の状況を瞬時に判断して決めなければならない
ここでのSOの即座の判断が成功すれば、一気にトライに結び付く
サッカーで言えばゴール前に決定的なキラーパスを出すミッドフィルダー役だ
SHはとにかく素早く球を密集から出し、広い視野で状況を見ているSOに「あとは任せた!」とパスを出す
サインプレーも含めてSOの選択した戦略が勝負の行方を決めることが多い
だから司令塔の真打ち
SOにはキックの名手が多いので「フライハーフ」という呼び名もある
静まりかえったスタジアムで難しいペナルティキックを確実に決めるSOは花形だ
★★★★★★★★★
■センター(CTB)
背番号 ⑫と⑬
(W杯では中村、ラファエレ)
CTB=センター、スリークォーター、バックの略
スリークォーターとは3/4
8列中、6列目
両側にウィングがいる
⑫はインサイドセンター
SOの横にいてSOの役割を果たすことも多い
⑬に求められるのはスピードとコンタクト
相手ディフェンス陣をギリギリまで引き付けて足の早いウィングにトライを託す
花形のポジションに比べて地味な印象のポジションだが、
CTBは、ラン、パス、キック、コンタクト、全てが上手くないとこなせない
さらにディフェンス時には突破をはかる敵陣を止めるタックル力も必要
ボール争奪戦に負けないフィジカルの強さも求められる
すなわち、CTBとは、ラガーマンとして必要な全ての要素を兼ね備えていなければならないオールマイティープレーヤー
かつて日本代表で最多キャプテンを勤めた神戸製鋼の元木は、CTBを「ラグビーの全て」と言い切った
2015年、南アフリカに残り2分でトライしたのはCTB立川の、14回にも及ぶ突進から生れたものだった
センターの見せ場はやはりオープン攻撃
しかもアタックとディフェンス両方で見せ場がある
やみくもに突っ込んでいけば敵に軽くかわされてたちまちトライに結び付く
待ちすぎては敵にトップスピードまで加速する余裕を与えてしまう
身体を張って加速を止めないといけない
特に守備で大切なのは「横の動き」
一瞬で体の向きを変えられる切れ味がCTBの見所
これらからCTBは身体能力だけでなく、運動神経も求められるポジション
やはり「ミスターラグビー🏈」という称号はCTBにこそふさわしい
★★★★★★★★★★
■ウイング(WTB)
背番号 ⑪&⑭
(W杯では福岡⑪と松島⑭、過去には神戸製鋼の大畑など)
ウイング=翼(の先端)
⑪は左翼
⑭は右翼
⑪と⑭、役割に大きな差はないが、あえて言うなら⑪はショートサイド、
ディフェンス時のコンタクトプレーに強いこと(タックルなど)
⑭はオープンサイド(大外)、
長距離を走り抜けてトライを取りきるスピードが求められる
左右どちらの脚でステップを切るのが得意かによって左右を決めることもある
WTBはトライゲッターなので当然目立つ
WTBにボールが渡っただけでスタンドが沸く
タックラーをかわし、タッチライン沿いを猛然と駆け抜ける、
最後は全てのディフェンスを振り切り、悠然とトライする
「俺にボールを回せ!」
フィニッシャーとしてのプライドだ
しかしボールが回ってくるのをただ待っているだけではない
(昔の日本のラグビーはそうだった)
タックルや密集でのフォローなどむしろディフェンスでの献身的なプレーが求められる
特にW杯レベルになるとWTBが悠々と走り抜けてトライ、というのは難しくなる
昨今のWTBは、CTBやFB、さらにはSOの位置に入ってキックやパスを駆使する能力も必要だ
チーム一の俊足、WTB
「あいつに回せば何とかしてくれる」と想われる存在でなければWTBではない
★★★★★★★★★★
■フルバック(FB)
背番号⑮
(W杯では山中)
最後の砦(とりで)としての使命
15人の最後尾(だからFull back)
サッカーのゴールキーパーと同じ
FBのタックルがかわされれば後ろには誰もいないから、ジ・エンド
2015W杯のスコットランド戦で、誰もがスコットランドトライ!と思った瞬間、
ギリギリのところで五郎丸が横っ飛びタックル!
スコットランドのWTBが外に弾き飛ばされた👀‼️
これはトライにも匹敵するナイスプレーだったので
このタックルは2015W杯の【ベストタックル】に選ばれた❗️
他に敵が自陣深くまで蹴りこんできたキックの処理も重要
選択肢は2つ
①蹴り返す(キック力が必要)
②ボールをキャッチして走るか
(一番後ろにいるため敵の陣形を把握しやすい。
敵のディフェンスラインが整っておらず「行ける」と瞬時に判断すれば走る!!
(いわゆるカウンターアタック)
2015年、五郎丸はランも確実に前進し、タックルを跳ね返し、簡単には倒れないフィジカルの強さがあった
キック力とフィジカル
理想的なFBで、2015W杯で「ベストフィフティーン」、つまり世界最高のFBに選ばれたのも当然だろう
ラグビーは「足し算」の世界
敵より一人でも多ければトライが生まれやすい
そのもう一人に、なることが多いのがFB
敵にすれば後方に控えていたFBが一瞬でラインに参加すれば対応が後手に回りやすい
(2015南アフリカ戦での五郎丸のトライはこの作戦が見事的中した結果)
FBが常に敵と味方の陣形を後ろからチェックしているから、サインプレーを出すのもFBが多い
味方のディフェンス陣に空きがあれば注意するか自ら穴を埋めに行く
チャンスとみれば自らボールを持ち込んだり、ライン攻撃に参加したり
守りでも攻撃でも、FBは状況を見ながら、最後に登場して結果を出すニクい奴なのだ(笑)
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■まとめ
ラグビーは一人一人が実に貴重なな存在だということ
ラグビーは陣地取りだから、全員が自分の仕事をしっかりこなさないと敵陣には踏み込めない
役割が決まっているスポーツはたくさんあるが、野球などと違うのは一人二役どころか三役はやらないと勝てないところ
一人でも自分の役割を一役しかしないと、負けるだけではなく、大怪我どころか死を招くこともあるのだ
2015W杯のアメリカ戦で、HOの堀江が松島にクイックパスをして松島がトライ!
堀江がそこに居てくれたことにみんな感謝していた
なぜ堀江はそこにいたのか?
堀江の意図を聞くとさらに感動するのだ(詳しくは本で😀)
今回のW杯スコットランド戦でのオフロードパスなど
成功したプレーはそのプレーに参加した選手の一人でも欠けていたら
一人でも状況判断を間違っていたら
一人でもそこにいなければ
成功しなかった
たまたまではない
全てが選手たちの一瞬の判断と行動力であの稲垣のトライは生まれたのだ
なぜ稲垣はあそこにいたのか?
その意図を聞いたらまた感動するだろう
この役割説明を読むと
「どのポジションもフィジカルの強さが求められる」とか
「守備だけでなく攻撃も」とか・・
みんな同じやん!!!と思うかも(笑)
昔のラグビーは自分の役割をきちんとこなすことが大切だったが、
現代のラグビーは二役も三役もこなさないと勝てなくなっている
理想は
「誰が司令塔なのかわからない」
だろう
★★★★★★★★★★